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校内授業研究会(三原町立市小学校) 

「わたしたちの生活と諭鶴羽ダム」(4年・総合)
 講師:近藤久史先生(神戸女子大学

 近藤先生に授業を見ていただくようになって4年目になります。今年は、自分たちが住む町にある「諭鶴羽ダム」を開発教材として取り上げました。子どもたちにとって「切実な問題」になることの難しさを痛感しました。この時間の学習問題は、「諭鶴羽ダムに公園やアスレチックなどがあるのはなぜか」です。

★単元のねらい
 ○「諭鶴羽ダム」についての調査活動を通して、ダムが建設されるまでの人々の願いや苦労を理解する。
 ○自分たちの住む「三原町」について考えることを通して、地域社会の一員としての自覚が持てるようにする。
 ○自分なりの追究をもとに、総合的な見方・考え方ができるようにする。

★これまでの学習の流れ
 ○1月24日   「諭鶴羽ダムで学習したいこと」
 ○1月26日~2月14日   「独自学習」(8時間)
 ○2月15日   「何から学習していくか」
 ○2月19日   「なぜ、もっと早くダムを作らなかったのか」
 ○2月23日   「恵佑君のおばあさんのお話から」
 ○2月26日   「昭和54年の台風の被害のこと」(その1)
 ○3月01日   「昭和54年の台風の被害のこと」(その2)
 ○3月05日   「諭鶴羽ダムは洪水の原因になっているか」
 ○3月07日   「諭鶴羽ダムに公園やアスレチックなどがあるのはなぜか」(本時)

★近藤先生のお話から
 実践の特徴は、対立拮抗というもので、反対とか違うという意味ではなくて、常に自分がどの立場に立つかという時に、その対立場面というものを大事にしている。こちらが正解だとかこちらが主流だとか本流だとかという雰囲気はない。社会科で「考える」ということをやり過ぎると、正解みたいになってしまうと、考える余地がなくなってくる。子どもたちは常にどちらかの立場に自分の身をおきながら学習を進めている。そして、自分の考えにあるこだわりをもって追究している子を大事にしている。自己矛盾を自分の中で作っていくとき、自分自身が変わっていく時である。こだわりの中には、その子の生きる投影があり、考えが狭い部分もあるけれども同時に考えが深いとも言える。
 テレビや新聞で言っていることは、必ずしも正しくない場合がある。中央の発信するニュースと地元のものとは違う。ここが総合学習では大事にしなければならない点である。自分たちの地域の問題を取り上げることが大切であり、役場とかそういうものは大事である。諭鶴羽ダムを通して、自分たちの生活、くらしを見ていくと総合学習につながってくる。総合学習で大事なのは、今の子が大人になって、何でも受け入れられるようになることが大切である。現実社会の仕組みの中に入り込んでみることも大切である。
 例えば、ジャーナリスティックに環境問題を捉えるのではなくて、本当に困ったこと(切実感)から考えていく方がよい。「公園」を扱うのはいいのだが、自分のくらしの中に引き付けて考えていかないと(切実感)深まりが出てこない。実際に自分の生活(くらし)とつながりのある子は、そこから広がりが見られる。
 総合学習では、「環境」とか「情報」とか「福祉」だからといってやれば薄っぺらなものになり、社会科と一緒になってしまう。小さなこだわりの中から「どうしてもこうしたい」という目的があって創り出していくものである。そこからつながりが生まれ、本物になっていかなければならない。その中でハプニングが起きることが大切である。実際に出かけてみた子(経験)とそうでない子がいるが、人によってタイプがあるからそれでもいい。全員を同じ状況におく必要はない。ただし、話し合いや情報交換などによって「学び合い」の場をもつことは必要不可欠である。
 学習中の発言も大事であるが、「書く」ことも大切である。興味のない子が発言しないのではなく、発言したくてもできない、どう言えばいいか分からないという子もいる。子どもたちの書いているものを読ませるということも子どもたち同士の接点になる。
 教師もただの人という状況を子どもたちに作って一緒に取り組んでいく。教師の歴史というものは、子どもの中に刻み込まれるものである。「朝の会」などを中心にして、お互いに見合うことが大切である。アイディアというものはみんなで創り出していくのがよい。文部省から出された5つの視点はあるが、根本的には子どもが大人になったときに、今のままで大丈夫かなという視点で考えていくのがよい。その先生だから取り組めるというものを共有していくのがよい。総合学習では、自分の考えが主張できる子を育てることが大切である。また、授業外の子どもたちの活動も大事にしたい。自分たちでグループを編成していける力も身に付けさせなければならない。

 ○3月12日 「諭鶴羽ダムが公園化されると、自然が破壊されるのか」
 ○3月14日 「諭鶴羽ダムはこのままで大丈夫だろうか」(その1)
 ○3月16日 「諭鶴羽ダムはこのままで大丈夫だろうか」(その2)

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