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考える子ども 

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 今月号の「考える子ども」に拙稿を3ページばかり書かせていただきました。


   子どもの『学び』を大切にした授業

 1.「脱ゆとり教育」?

 今年5月、文部科学省が2020年度以降に実施される次期学習指導要領の改定に向けて、「脱ゆとり教育」を宣言した。「脱ゆとり」か「ゆとり」かを問題にするのではなく、その内容や過程、または子どもの学びにどのように寄り添っていけるかを問題にすべきだと考えている。
 今夏にいくつかの研究会に参加したが、どの研究会でも文部科学省の「論点整理」を活用しつつ、新しい学習指導要領についてふれていた。「コンピテンシ―」「アクティブ・ラーニング」「カリキュラム・マネジメント」などのキーワードが飛び交う中、「対話的」「主体的」「深い学び」を大切にしなければならないことを強調されていた。実際にこれまで、そういうことに力を注いでこなかったのかというと、そうでもないと思っている。

 2.子どもたちとの「学び」から

 昨年の「パリ同時多発テロ事件」は記憶に新しいところである。この事件が起こった時に、
2001年度の6年生との学習が脳裏によみがえってきた。
 社会科の最後の学習として、何をやりたいかということを3学期に入って子どもたちに聞いたところ、27人中19人が「米同時多発テロ事件」に関することについて学習したいという回答を得た。「…今のところよく分からない感じだから、テロについてというかアメリカとアフガニスタンについて調べたい…」(あやな)、「…国際的な問題だから自分もいろいろ知りたい…」(みほ)、「…テロがあって、日本がアメリカを助けたりしているから…」(けんた)などの意見が出された。 
 事件直後から、「朝の会」で話題として取り上げられることが多く、子どもたちもまたいつかこの問題について学習したいという思いも持っていたようである。
 しかし、いざ学習として取り上げるとなるとなかなか難しいことを実感した。
 教科書も進めていかなければならないため、しばらくは「独自学習」として進めさせた。そして、「朝の会」の時間を何回か使って、学習問題を話し合ったがなかなか決まらない。

■2002年2月27日(前略)
まみ   前、難しいからやめてって言った子で、何をしたいか言って。難しいって言った子、   
     もっとおったよ。宗教のこととかでやろうと思ってるんですが、それについてどう思っ
     てるんですか? 
さゆり  前は、その宗教の関係と政治のことをやるって言よってんけど、その宗教のことを
     まみちゃん、言よんのでえか。難しいと言うか、何か調べてくるって言われたら、調べ
     れへんかも知れへんやん。
かずや  そしたら、アフガニスタンと宗教の関係のやつは消していいですか?
まみ   いやです。どっちも関係のあるような内容やから、勉強したら楽しいと思うし、私は
     いやです。
ゆりか  私もまみちゃんと一緒で、それは置いといてほしいと思います。難しいからって言
     よったら、全部難しいで終わってしまうから、テロの起こる原因と関係があると思うか
     ら、やってほしいです。
けんた  ぼくもそれを調べた方がいいと思います。それを調べないと、どうしてテロが起こっ
     たかということが分かってこないから、調べた方がいいと思います。
あさみ  私は、タリバンの政治とかやりたいって言ったんだけど、宗教との関係とかも関係し
     てくると思うんで。
しげき  難しいからっていう理由でやめとったら、何かレベル低いし、宗教とかやったら、ア
     フガニスタンのことがよく分かるような気がするから、やった方がいいと思う。(後略)
 約1ヶ月間の独自学習の後、「世界の中の日本~米国同時多発テロ事件との関わりから~」の学習がスタートした。
【ねらい】
①米国同時多発テロ事件を通して、世界の中の日本の今後の役割について考えることができるようにする。
②学習問題について考えていく方法として、新聞記事、ニュース、インターネットなどのメディアの利用の仕方を学ぶとともに、自分なりの考えを持てるようにする。
【学習計画】(全7時間)
①アフガニスタンについて調べる。(イスラム教、政治、その他)…3時間 
②アメリカの軍事行動について考える。…2時間
③世界の中の日本の役割について考える。…2時間
 独自学習の中で、ゆうみさんは次のように書いている。
■学習していきたいこと■
(前略)私は日本っていろんな国に対していい顔をしているように思う。アメリカに戦争で負けてから、いろいろと恐れるというか頭が上がらないような立場になっていると思う。/憲法で「戦争の放棄」というのがあるから戦争することから逃れられているけど、その憲法がなかったら日本はどうしたのかな。/私が一番気になっていることは、アフガニスタンの難民についてです。テロ事件が起きたのはアフガニスタンのテロ集団のせいだけど、アメリカもアメリカだと思う。昔はアフガニスタンに武器をわたして一緒に戦っていた。でも、今は敵となって武力で押し倒すような形になっている。ちょっとしたことで、仲間だった国同志が敵になったり、世界の動きは全然読めない。(中略)今、私が一番アメリカに伝えたいことは、戦争をやめてもっと話し合って、人々の命を大切にしないといけないと言いたい。日本のように平和主義までとはいわないけど、もっと考え動かないといけないなあと思う。日本はどうするべきなのか。自衛隊などは無駄じゃないか。国会だけじゃなく、もっと国民の声、現地の人の気持ちを考えた方がいい。(後略)

 3.学びの「質」の重要性 

 アクティブ・ラーニングやキャリア教育など・・・すべての根源は、子どもの学ぶ意欲をどのように育てていくかに尽きるのではないかと思っている。
 「社会科の初志をつらぬく会」と出会い、初志の会の実践をはじめとして、これまで参観してきた奈良女子大附属小や富山市立堀川小、静岡市立安東小などの授業など、まさにアクティブ・ラーニングだと考えている。そういう授業のスタイルや中身にあこがれ、どのようにすれば主体的に学習に取り組む子どもに育てられるのかを今も私は追い続けている。
 子どもたちの「学び」を中核にした学習をどう構想していくか、悩みながら試行錯誤を続けている。

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