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考える子ども №395 

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 今月号の「考える子ども」に「しなやかで強靭な話し合い」というタイトルで拙稿を2ページ書かせていただきました。第62回全国研究集会の課題別分科会「授業実践アーカイブス」の報告としてまとめたものです。


 1.はじめに
 1994年に初めて富山市立堀川小学校の研究会に参加しました。以来、冬の研究会を含めて十回ほど訪れました。そのたびに子どもたちの息の長い発言や、それにかかわっていく他の子どもたち、先生の子どもたちへの共感的なかかわり方などから、多くの学びをいただいています。
 今回の課題別分科会で堀川小の実践が取り上げられるということで、この分科会に参加させていただくことにしました。
 信州大学の松本康先生がお世話してくださり、2000年5月30日、5年で行われた「わたしたちのくらしと米作り」( 授業者: 広田積芳教諭) の授業について検討しました。

 2、分科会の話し合いから
(1)授業記録の行間を読む
① まず最初に映像記録の有効性についての意見が出された。映像記録との併用で授業記録だけでは分からないこと、例えば、「間のとり方」「子どもの動き」「板書のタイミングや筆致」などを見ることにより、その場の雰囲気や状況が理解できるということ、また授業者の思いや願いも見えやすくなることで全体像が把握しやすい。
② 授業記録そのものには非言語情報が入りにくいという欠点がある。できるだけ動作の説明とか表情の様子とか「間」の感じが伝わるように、そういったことも言語化して記録していくことによりさらに細かく検討できる。
(2)本時の学習について
① 広田先生は子どもに寄り添い受容している。決して否定的に見ることなく、その子に寄り添ってその子の考えを引き出そうとしている。無理には押し付けないが肝心なことはきちんと押さえる。子どもが自分の願いに沿って、あらゆる手段を持ち込んで自分で解決しようとする。そういうことを大切にされている授業である。
② 本時で言えば、「自分たちの田んぼをどのように作るか」という話になるが、それぞれの子どもたちの中にめあてがあり、そのめあて同士がぶつかっているところがおもしろい。また、堀川小の子どもたちは、低学年の時から、何かが気になると追究するということを学習の中で育てられてきている。堀川小の子どもたちは体験的に地域に行ったり、人に当たったりしながら調べる。知的に本やネットで調べるのではなく、体全体で分かりたいという感じがすごくある。
(3)学習スタイルと教師の出
① 学習スタイルという点で、静岡市立安東小学校と比較した話題も出された。二項対立的な学習問題がよいのか、多様な考えや意見が出ることがよいのか。堀川小を見た時に意見や考えをやわやわと重ね合わせていく方が強靭な感じがしてくる。鋭くぶつからない中で、いろいろな考えが出される。その結果、別の考えも結構いろいろ出てくる。
② 堀川小の学習スタイルは子どもたちの活動がよい。自分たちが調べてきたこと、自分たちが経験したことを語ることが素敵だと思う。根拠をきちんともち、それについての気持ちとか感情を大切にしている。友達のお話についても、その人の思いを受け取るようなしなやかな話し合いや対話が魅力的である。
③ また、すべてを共感的に支えているから、相手の意見を説きふせる、自分が傷ついても自分を出す、そういう面が薄い。意見と意見がすれ違っているような印象がある。自分をあえて出してぶつかっていくことも大切なのではないか。

 3、分科会に参加して
 初めて「授業実践アーカイブス」の分科会に参加しましたが、授業記録と映像記録との併用は授業を検討するのに効果的であると改めて感じました。授業記録のみの検討ではやはり限界があるのではないかと思いました。
 安東小学校の授業もこれまでに6回参観させていただきました。過去に長年「ひとりひとりを生かす授業研究」をテーマに研究を継続してこられました。授業スタイルは違えど、両者とも子どもたちの追究力が本物であるということと教師の出( 子どもたちとの関わり方) が魅力的であったということを思い出しました。
 また、本時の学習は堀川小独特の実践であると感じました。数人の子どもたちを軸として、周りの子どもたちが絡むようにかかわっていく。教師もその進んでいく方向を無理には変えようとせず、一緒にその学びを楽しんでいるかのような感じさえしました。
 ほぼ二時間分の映像記録を見ましたが、授業について検討する時間が十分とれなかったことが少し残念に感じました。
 よい学びの機会をつくっていただき、ありがとうございました。

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