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考える子ども №398 

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 今月号の「考える子ども」に「子どもの学びを深めるために」というタイトルで拙稿を4ページばかり書かせていただきました。
 特集は、「学級開きと学級づくり」です。(朝の会の様子、自学帳の例、教室掲示の写真は省略しています)


     子どもの学びを深めるために

 1、はじめに

 私は常々、授業づくりの基盤となるものは学級経営だと思っています。学級経営を充実させることにより、子どもたちを学習できる組織に変えていくことが可能であると考えています。
 これまでの自分の取り組みを振り返ってみると、学級経営の柱として、「朝の会」「自学帳」「自由研究」の3点において力を入れてきたように思います。

 2、学級経営の柱
 (1)「朝の会」の取り組み
 一日のスタートは「朝の会」で始まります。朝の会では次の2つのことを意識して取り組みを続けています。

 ①話し合い活動の仕方や楽しさを学ばせる。
 ②日常生活からの「学習の芽」の掘り起し。

 その中でも特に大切にしていることは、「表現力の基盤をつくる」ことと「学習力の素地をつくる」ことです。
 毎年、学年や子どもたちが違えど、朝の会で共通して取り組んでいるものに「友だちの発表」(スピーチ)があります。全員一言ずつ発表することもあるし、一日に1~2人の子どもたちにある程度時間を与えて発表させることもあり、それは時期や学年、その年度によって一番よいと思うスタイルで実施しています。信州大学の松本康先生が出された資料を参考に子どもたちに合わせて改良し取り組みを続けています。
 指導上の留意事項としてポイントとなるものをいくつか引用させていただきます。

・自分たちで進める学習の方法(自律的学習法)を身につけるように指導する。
・子どもが司会をする。板書する場合もあり。進め方のおおまかなルールをあらかじめ教え、適時改良する。
・「発表」はお話、実物持ち込み、ミニ発表(模造紙)など、内容はくらしの中で心が動いたこと、関心を持ったこと、気になったこと(「ちかごろ気になること」「ちかごろ変わったこと」)など、教科の学習が探究として現れることがよくある。
・「わからないこと」はすぐに教えず、疑問や問題として残るようにする(黒板に「ふしぎ」「疑問」「問題」として書き残しておくなど)
・「先生のお話」(教師のコメント)
  ◉座席表などを利用し、話し合いを記録しておく。
  ◉子どもの良いところを見つけ、ほめる。
  ◉視点、調べ方、おたずね、話しあいのしかた、次の探究につながる示唆など。                        「『朝の会』の進め方」より

 お話することを通して、自分自身の生活の振り返り、また他の子どもたちとの話題の共有が可能になります。
 また、おたずねを通して、集団の中での個と個のかかわりあいが生まれてきます。その中から子どもどうしの「学び合い」の場が生まれてくることもねらいとしています。
 そして、その中に表れる子どもの行動や発言などから、また書かれたものから子どもたちの理解をさらに深めていこうと努めています。素直な疑問というものが素直に出せるということが学習の出発点であり、集団としての大きな力になっていくと考えています。
 最後の「先生のお話」は特に大切にしています。その日に提供された話題に対して、感想を述べるだけではなく、いくつかの内容を取り上げ、さらに子どもたちの手で追究していけるような助言を心がけています。
 このように、朝の会は学習活動における自分が調べた事実について疑問を見つけたり納得を得たりするための触手を形成させ伸ばさせておく場であるとも言えるのです。
 一年間のとりくみを通して、最終的には自分たちで話し合いを進め、自分たちで考え合い学び合う集団になってほしいと願っています。
 一学期は「つなぎ」「広げる」ことができるように、意識をして「教師の出」を多くしています。また、一学期当初は話し合いのベースを作るために、話し合いのルールづくりにも力を入れて取り組んでいます。「朝の会」では、子どもたちが自分のくらしを持ちこんできます。そこから、子ども観察や子ども理解につなげていきます。自分自身を出す場、友だちの話を受け入れる場という環境の中で子どもたちの思考力は同時に深まっていくと考えています。
 卒業直前に朝の会についてAさんに書いてもらった作文を紹介します。(2011.3)

◆私は、朝の会を始めてよかったと思っています。今起こっていて、自分が関心を持っていることについて話すことで、他の人の意見も聞くことができるから、自分の中で考えることも増えていきます。また、他の子が関心を持っていることを知ることができるので、そのことについても考えることができます。朝の会をすることで、「聞く力」と「話す力」「考える力」をつけることができます。もう一つ、私が朝の会でいいなあと思うことがあります。それは、「おたずね」です。おたずねをすると、どうしてだろうと思って自分で考えてみようという気持ちになります。それと、おたずねされると、分からなくても自分の考えや予想を言うことによって、急なときでも自分の意見をはっきりと言うことのできる力をつけることができます。また、おたずねや話すことは、授業中必ずすることです。だから、私は朝の会は授業中話すための練習だと思います。また、司会をしている人も早い判断が必要だし、はっきりとものを言うことも大切です。だから、どんなことをしていても、たくさんの力をつけることができます。黒板の人だって、話したことを簡単に分かりやすくする力をつけることができます。だから、私は「朝の会がくれる力はすごい」と思います。朝の会はこれからも続けていきたいと思います。

 このように6年間「朝の会」に取り組んできて、それぞれの子どもたちは自分なりにその意義や価値を感じています。
 また、6年間朝の会で培ってきたものを後輩に語り継ぐということで、卒業前に朝の会を全校公開していたこともありました。体育館で教室同様の配置で机を並べ、1~5年生がコの字に取り囲んで参観します。くらしを語る朝の会だからこそできることであり、教科等の学習では難しいことです。司会、板書すべて子どもたちで行っている様子を見せ、下級生もおたずねや感想を出しあう全校生による朝の会です。

 (2)「自学帳」の取り組み
 家庭学習の柱として取り組ませようと考えているものの中に「自学帳」(低学年では「一人学習ノート」)があります。
 「自分自身で学習にとりくむ」習慣を身につけることと、「学校と家庭とをつなぐ学習」であることをねらいとしています。2~3日に一度のペースで、見開き2ページに取り組ませています。
 一学期の間は、主として「継続できる」ということに重点をおき、少しずつ学習問題(前日に明日の時間割の教科の学習問題を予告しておく)に取り組ませていきます。学習問題に対する自分の考えや予想、また取り組んでみて自分の分からないところなどを明確にし、それを自学帳に記しておきます。
 学習問題に対する自分の考え、学習の振り返り、気になることの追究の場としてのノート作りをめざしています。

 (3)「自由研究」の取り組み
 一年間に何度か機会をとらえて自由研究に取り組ませています。自由研究は、一人学習の一つの形になります。長期休業の夏休み、冬休み、春休みなどを中心に取り組ませていますが、その準備はおよそ2~3週間前から始めます。
 まず、過去の自由研究を紹介しながら、どんな自由研究に取り組みたいかイメージを持たせます。
 そこで考えていってもらいたいことは、テーマや具体的な内容などです。「いつ聞き取りに行くの?」「どこで調べるの?」「資料がそろったらどういう追究を進めるの?」「実際に現地へ行けるといいんだけどなあ」「写真を一〇〇枚ぐらいとれるかなあ」など、研究がスタートする前から、できるだけいろいろなことを子どもたちにおたずねしたり注文を出したりします。
 研究計画が完成するまでに、早い子で一週間、長期の休み直前になる子もいます。また、研究を進めていくうちにテーマを変更する子もいます。本当に自分がやりたい、楽しい研究を見つけるには時間がかかるものです。しかし、それが見つかると後は意外とスムーズに進んでいくものです。
 これまでの経験から言えば、3年生ぐらいまでは模造紙や画用紙、4年生以降になるとパソコン(ワード・一太郎・パワーポイントなど)でまとめ始める子どもたちが出てくるようになります。

 3、おわりに

 「朝の会」をベースにして、子どもたちの「自学帳」「自由研究」は密接な関わりを見せてくれます。最近ではこれらが学習の基本であるとさえ感じることもあります。朝の会で登場した話題を自由研究に取り入れる子、また自学帳でさらに追究を進める子、またその逆で自分が追究したことを朝の会で広げていく子など様々です。
 教師の仕事は、常々「つなぐ」ことであると考えています。「子どもと子ども」「教師と子ども」「教材と子ども」「くらしと学習」「授業と家庭学習」など、意味づけしたり価値づけしたりすることによって、子どもたちの学びはつながっていきます。それと同時に様々な場面での学びあいが行われるのだと考えています。

参考文献
・社会科の初志をつらぬく会(編)『社会科を好きになる教育への手立て』(第6章 個が生き、みんなで学びあえる学級をどうつくるか) 渓水社 2019年

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